Tagoo 戦闘メカザブングル ブルーゲールPART1

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親記事 戦闘メカザブングル ブルーゲールPART1
タイトル
意外とかわいい敵メカ・ウグなどの話が一切でてこない銀河漂う無駄話
日付Sat Dec 15 03:24:10 2018  
書いた人コメント一覧ZL <planetary_titan_sushiya@hotmail.com>

(前回からの続き)
シューティングやウォーゲームをとりあえず出せば・・ってのも、なんか安直な気がするんです。
でも悩んだ末に、結果としてシューティングとかが出てくるってことも当然あると思うんです。私。
「ザブングル」も「バイファム」も、マシンデザインの部分、ロボット物としての魅力を軸に抜き出
して商品展開していくことは比較的容易でも、より作品の核となっている《キャラクター面》をフィ
ーチャーするとなると、かなり難しそうに思え、あまりパッとしない(失礼)感じのするMSX上での
ライセンス両作品も、ほんとうは、やっぱり結構がんばっていたのだなと再確認をしまして、いや
よかったねと終わらずに、せっかくなので両作品の情熱の舞台となったパソコン、MSXの中で、
勝手に「バイファム感」のあるゲームを探し出してみましょうという話なので御座います。

で『ガルフォース・カオスの攻防』、どうにもいきなりシューティングですが、これはキャラクター
ゲームの成功例の上位にあるソフトなので、ここを避けて通れない感じなのです。
メインキャラのキーグラフィックがとにかくグッドな出来であることもさることながらゲーム自体が
かなり面白い、しかもスクロールシューティングというジャンルでキャラクター色を出しつつ、なお
ノリのよいゲームプレイを実現できている、ハイセンス・アンド・ハイスキル加減。
もう皆さんと同じく私も「本当によくできてるよなあ」とつくづくおもいます。さすがHAL研という
ところでしょう。ゲーム自体は、別段「ガルフォース」のストーリーに則していたりする訳でもない
のに、ポップなメインテーマ曲(これは原作劇場版のものを非常に上手に落としこんだもの)や、
変則的なパワーアップをする上にキャラチェンジでマシンも変わるスピーディーでスリリングな
システムと、「ガルフォース」のキャラを前面に出した硬軟あわせ持つ作品イメージとのマッチン
グの妙なのだと思います。バイファムとは無関係に思われるかもですが、こういったOVAチック
な作品展開・作品世界が一段と活発になった背景には、「銀河漂流バイファム」のような作品
の人気、ことにそのキャラクターへの厚い支持があったと私は思っています。だからというわけ
でもないですが、結構バイファムでこれをやってもよさそうに感じる部分もあります。
(無理やりバイファムにする必要もないんですけどね。ガルフォースだっていい)

MSフィールド機動戦士ガンダム』は割と「やらかした」ゲームとして君臨する今日このごろで
はありますけれども実際、そんな大々的には話題にしないようにみんなが気をつかっているこ
ともあり、地味な存在なのかも知れませんね。
ただ、このゲームのグラフィックは個人的に好きで、ときおり見たくなってしまうのです。
小ワザがきいているというのか、ただ端的にドット絵が達人の仕事なのか、とてもいい印象を
私は受けてるのです。キャラクターのカットのきりりとした感じにせよ、マップ上のMSのドットの
きわ立ち方にせよ、あれはよいものですな。さすがファミリーソフトというところなのでしょうか。
ゲームはシステムに問題を抱えていて、戦闘シーンに介入できないこともあり、ちよっとつらい
面があります。バイファムは意外と、こういう緊張感の欠落した戦場シミュレータは合うでしょう
から、「見ているだけ」でも別にいいので、パラメータ関連を中心に手を加えれてくれれば、面
白いのではないでしょうか。

レッドゾーンって、PC-6001では同名の別ゲームがあって、そちらも捨てがたいゲームのよう
なんですがここでは脇に置きまして、アスキーの、イエローホーンの『レッドゾーン』、本作も
バイファムゲーム化の素材としてのポテンシャルが高いものと目されております。
ホバリングの可能な機体コスモパンサーを駆り、コンピュータに占拠され支配されている地で
キャノン砲を撃ちまくるゲームです。むせるような爆煙だらけの冷たい戦場に、実際子供たち
の出る幕はないのかもしれません。
しかしこのゲームのちょっとした仮想感とか、無骨な画面づくりを見ていると、「バイファム」の
ジェイナス号が、訓練艦として備えている装備のひとつでもある「実戦シミュレータ」に非常に
近い感触をおぼえてしまいます。
作中でのロディやバーツが、民間人の身でありながら模擬戦闘訓練の必要性を感じつつ、
すこしゲーム気分も交えながらうち込んだ、あのシミュレーションマシンに、「レッドゾーン」は
じゅうぶんに対応できるように思えます。訓練用なので画面はそっけないのですが、本作を
やってみてもわかるように手ごたえは、かなりのものとなります。
面白さ、レッドゾーーン!(ああながい)

シミュレータ的な側面でいえば、ポニーの『スペースシャトル』も、バイファム感のあるゲーム
として捉えることができますね。打ち上げ、船内/船外活動、再突入/帰還という重大な
任務を遂行するスペースシャトルを題材にしていますが、「バイファム」には、少年少女たち
が惑星軌道上のジェイナスから、搭載されていたシャトルで惑星への捜索活動を立案し、
実行にこぎつけるまでの試行錯誤を、ひじょうに丁寧に描写しているシーケンスがあり、
考えようによっては、もうこのままでバイファムゲーに認定されるくらいの立ち位置にいると
いって過言ではなく、ミッションスペシャリストの境地・・本番は一度きりなので、時間の許
すかぎり、訓練・テスト・シミュレートを重ねる・・その感じは本当に同じものであります。
私はかつてこのソフトの説明書を、ゲームそっちのけで読みふけり、「ゲームを仮想体験す
る」遊びと称して、結局いちどもプレイすることのないまま、パッケージ一式まるごと手放
したことがあります。なつかしいものです(ひどい)

キャノンボール』はハドソンお得意の、キャラクタが画面中を派手に動きまくるアクション。
MSXのソフトウェアには、ここから派生したと言えるようなゲームがたくさんあるのですが、
本作ではシンプルなつくりの中に、凝縮されたエッセンスを感じることができます。
まあバイファム感のかけらもないように見えるかも知れませんけれど、そろそろ本腰でキ
ャラクター面にも切りこんでいこうというわけなのです。
ちょっと現実離れしていて、悪夢的な、そしてコミカルなゲームにもなっている本作を、私
はここで「スコットくんの苦労が絶えないゲーム」と改称してこのままリリースしてもいい
気がしていますし、もし私がCEOならそのようにします。今からでも遅くはありません。
そして私はCEOではありません。(ハドソンも今はありません)

「キャノンボール」がスコットさんはじめ男の子キャラなゲームであるとすれば、女の子の
キャラが登場するゲームとしてはなんといっても『フルーツサーチ』を挙げなければ始まり
ません。ちょっとしたデモンストレーションにキャラクタが可愛らしく動いて、ゲームに華を
そえています。無理がない感じに、それでもやっぱり気合がこもった作りこみ。
このあたり、やはりHAL研やってくれますね。内容はマスターマインドです。

コナミのプーヤン』もあります。
これは、敵機動メカがジェイナス号に肉薄し、機関砲による射撃の困難な死角に入り込
まれたような状況下で、ウェア・パペット(船外活動用機動スーツ)に身を包んだマキが、
バズーカを手に孤軍奮闘する『バイファムなプーヤン』に早変わりするのでありますが、
これもなかなかの良作だと思います。というか、リリースされるのを待ちたいと思います。
上から命綱を引っ張っているのがケンツ軍曹であることも容易に想像されましょう。後ろ
でジミーが見切れているという芸の細かさぶりなのであります。

ザイゾログ』は、マーブルマッドネスと鬼ごっこが合体した風のゲームではあるのです
が、プレイヤーキャラクターが見せる動きは、バイファムでのラウンド・バーニアンの銃
撃戦に見るような、やたらぐるぐる回っている感じにけっこう似ているように思います。
バイファムでの主要な戦闘シーンでは、とにかく撃ちまくるけれど、当たらない。
双方が攻撃を外しまくりながら、どちらが先に当てるのかという緊張感の中で、目ま
ぐるしく変化する位置関係でのバトルは、意外にも「ザイゾログ」っぽいんですよ(個人
の感想です)。つかず離れず、しばらく持ちこたえると相手にこちらの射撃がヒットする、
かも・・、という自動攻撃システムで、プレイヤーは操縦に専念。もしかしたらこれ自体
シミュレーターなのかも。そんなバイファムゲーがあってもいいのではと思います。

ジェイナス号は、乗員の訓練を目的として建造された練習艦なので、通常の軍艦とは
多少異なっている部分があるにせよ、単独で外宇宙を航行するだけの能力を備えた
宇宙船で、なおかつ時に未熟な練習生をサポートしなければならない上、訓練におけ
る、あらゆるシチュエーションへの対応能力が求められているポジションの船なのです。
「ボギー」と呼称されるメインコンピュータによって管理される船内システムは、かなり
フレキシブルな構造をもてるよう設計されていました。正規のクルーが旅の途上でその
人員数を極端に減らし、とうとう非戦闘員である子供たちだけになってしまっても航行
が続けてこられたのは、ジェイナスが軍所属の外宇宙練習艦だったから、ということが
できると思います。ボギーと少年たちとの関わりは、作中では断片的なものでしたが、
とても重要な要素であったと感じます。このあたりが、当時の自分が気づかずにいて、
充分には受け取ることがなかった部分なのですが、きちんと見てみるならば、管理者
の自律型コンピュータであり、同時に知り合いでもあるようなボギーとのやりとりを重
ねながら、ジェイナス号のシステムという勝手の分からない環境を克服して、自分た
ちの生活サイクルを構築し、自分たちの目的のために迷いながら、学びながら、ジェ
イナス号と共に歩む航海。ここにこそ語りの重心が置かれている。
ボギーはいわゆる人工知能的存在でありながら、練習艦の中枢の頭脳として、最
適の答えを与えるわけでもなく、悩むものに進言するわけでもなく、多数のサブコン
ピュータをしたがえるシステムの代表者として接する立場にあります。それでいて、
もちろん仲間でもある、そんな温度感を軽妙なセリフ劇で伝えていく、綿密に準備
され、整えられて、丁寧に描写されるシナリオ。そう簡単に切り取ることのできない
ストーリーとキャラクターの魅力。だからこそ、あえてゲーム化するからには、相応
の愛をもってやるしかない。(あるいは、上にあげたソフトのように、「やったつもり」
になるしかない)

話の都合上、この『戦闘メカザブングル ブルーゲールPART1』にも触れないわけに行
かないのですが。
キャラクターの配置の妙を楽しむゲームへとシフトさせるのもアリかも知れません。
システムがキャラクター選択次第で変わってしまうというやつです。
パラメーター表示が適当な数値になったり画面表示が極端に限定的になり、
「なんだって?左からくる?」みたいな伝聞調コンバットとか、
だるまおとしゲームで決着をつけるとか・・
気合だけで進む戦闘機を誘導するとか・・・
もう、企画の時点でダメになりそうなので、このままでキャラだけ変えていくのが
無難でしょうか・・
以前にも書きましたが、このゲーム、やったことはないんですけど(ひどいすぎる)


野心をのせ度 : ★★★★
ほどよいウォーカーマシン群 : ★★★★
白と黒の伝説度 : ★★★ (味のあるスクリーンレイアウトに与えられる)
レア度 : ★★★★★
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