スーパーランナー──────
それはメトロクロスと
マリオカートをくみあわせた
まったくあたらしい格闘・・じゃなかったゲームである・・・
制作は現在も恋愛ゲームなどをリリースしているオペラハウスが担当。かつてのオペラハウスの公式HPには、過去MSXで手がけた作品を掲載してくれていたのだが、現在では黒歴史として封印してしまった模様(ただのHPのデザイン変更の為かもしれないけれど)
しかしこんなこともあろうかと、ウェブ魚拓を残していたのだよ真田君。
それによると1985年に三木 暁氏と藤原博之氏が、プログラマーとしてゲーム制作を始めたのがオペラハウス設立の切っ掛けのようだ。処女作はMSXの隠れた名作カモン!ピコ。その後もアルファロイド や熱血柔道と言った渋いソフトをリリースしている。
特筆すべきは初代MSX1の最後のビックタイトル移植となった、[R-TYPE]の制作にも関わっていること。出来はともかくMSX1での移植はかなりムチャな企画なので、実現しただけでもお二人の技術力が伺える。MSXでゲームを作り慣れていたのだろう。
このスーパーランナーは、完全なMSXのオリジナルタイトルとして制作されたようだ。
ゲーム内容としては、メトロクロスの競争と、マリオカートのお邪魔アイテムの要素を組み合わせたようなゲームシステム。ミソなのは先にゴールするだけではダメで、ボールを持ってゴールした方が勝ちというルールがポイント。このゲームデザインはオリジナリティがある上に秀逸だ。
多くの方がレビューで書いているように、対戦は非常に盛り上がる。ルールも単純で直観的にプレイできるので、パーティーゲームなどにはもってこいだろう。
だがCPU戦も侮れない完成度で、ライバルキャラのアルゴリズムは相当凶悪に設定されていて、熱くなること間違いなし。
発売は1987年、パナソニックの廉価版MSX2であるA1の発売で、一気にゲーム目当てのMSXユーザーが増えた時期に当たる。私も友人を多数勧誘し、MSXの勢力拡大を図っていた。
ところがMSX2の美しい画像に惹かれて購入はいいが、
「あれ?綺麗なのは画面だけで、アクションゲームはファミコンの方が出来がいいじゃん」
と余計な真実を知ってしまうガキが続出。そこは気が付かなくていいんだよ!
その点このスーパーランナーは、非力なMSXのスペックをはじめから想定してゲームデザインされている。このような良心的なMSXオリジナルタイトルがもっと多ければ、MSXの歴史も変わっていたかもしれない。
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