可愛いペンギンが人気だった結局南極大冒険の続編、っつーかパワーアップ版。
タイトル画面のドカンとド派手なロゴが素敵だった。
この作品もMSXのみであり、FCユーザーを羨ましがらせるだけのクオリティを持っていた。
内容的には、ストーリーやキャラクターを冷静に取り除いてゆけば、実はレースゲーム。
まったりしたBGMが特徴の、ライバルカーのいないシンプルなレースゲームである
結局南極から打って変わって、無茶苦茶パワーアップ。
面構成も、地上・地底・海上・氷上・川・海中・宇宙空間(!?)等々、多彩で、背景の
CGが違うだけでなく、遠心力が大きくかかったり、浮力が働いたり、ジャンプに微妙に
タイムラグがあったり、無重力だったり(!)、操作感覚もそれぞれ違ったりする。
敵や障害物の種類も大幅に増え、単なるボーナス点だった、穴から飛び出る魚は通貨として
エスキモーのおじさんとの取引に使えるようになり、重要度が増した。
BGMもステージに合わせてメインが7〜8種類、ボス等特殊シーンも数種類と大変多彩。
(個人的に氷上面のBGMが大好き)
無くても(理論上は)なんとかなるが、あると大変便利なお助けアイテム(装備品)も豊富で、
お魚集めについつい欲の皮が突っ張ってしまい、ゲームを熱くする一因となっている。
と、このようにアイデアてんこ盛り、高い技術力とセンス良いグラフィック・音楽へのリソ
ースたっぷりで、それらを上手くまとめ上げる事にも成功している本作なのだが、やはり
ネックは難易度なのである。
当時から、キャラクター可愛くて楽しいけど、難しすぎて上手い人のプレイを見てるだけ、
と言うような意見が雑誌などでもちらほら見られた。
タイムオーバーのみの結局南極に比べ、障害物や敵にぶつかっての「死」が加わっており、
ゲームオーバーになるのも簡単である。せめてデフォルトでコンティニュー機能があれば、
と思わずにいられない。(コンティニューあっても全然進めないけど)
あと、地図。これを手に入れられないと、ある地点まで進んだあと、後ろにワープさせられ
てしまうわけだが、後半面でこれを売ってくれるおっさんのいるクレバスを探し、それまで
に地図を買えるだけのお魚を集めるのは相当キツい。っつーか、最終面がこれでどうしても
越えられなかった・・・・
また、他の方が多々書いておられるように、マルチエンディングだがグッドエンドを迎える
為の条件も非常に厳しく、意識しなければならない事項は大変多かった。
このため、有る程度進むと、単に障害物を避して時間内にゴールまで駆け込めば良いという
展開からは程遠くなり、難易度と相まってとてもではないがお手軽に遊べる作品とは言い難い。
可愛らしい外見と裏腹に、かなり殺傷力の高い1本である。
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