サイボーグMSX氏も書いているが、コナミのMSX黄金期を予感させる素晴らしい作品。
それまでのコナミはナムコ同様アーケードからの移植作品が多く、またナムコに比べると
今ひとつインパクトに欠けるタイトルが多かった。(代表作がハイパーオリンピックだし)
そんな中で颯爽と登場したのがこの作品。これ以降、MSXでソフト買うならコナミ製品を
買えば外れはない、という状態が長いこと続いた。
コナミはアーケードのグラディウスでシューティングゲームに地形という要素を持ち込んだ
訳だが、縦シューにこれを用いたのは魔城伝説が最初ではなかったか。(ファイナルゾーン?)
ゲームとしての特徴は、前述の地形に加え?マークのパネルに攻撃を当てることにより何らかの
効果を持ったアイコンが現れるという要素。現れるのは安い得点ばかりでたまに敵全滅、中には
1upとかもあるけど、大概は障害物に変化してしまうのでむしろ撃たない方向で、と言いたいが、
?パネルのままだと攻撃を遮ってしまうので微妙なところである。
武器のパワーアップこそがこのゲームのキモなのだが、当時シューティングゲームでメイン武器が
5種類もありさらにそこからパワーアップするなど考えられるものではなかった。
パワーアップの最先端を行くグラディウスですら、レーザーとダブルの2択だったというのに!
手っ取り早く2連攻撃のツインアロー、3WAYで貫通弾なのはいいが単発が致命的なファイアー、
誘導の上に貫通するがとにかく射程が短いブーメラン、撃つのが速くて連射が効くソード、
無難に貫通弾なファイアアローと個性豊か。ま、実際に使われるのはファイアアローかソード
くらいなんだけど。(ウチの弟はブーメラン愛用者)
それ以外のパワーアップはスピードアップと盾くらい。盾は、敵の弾しか防げないのがポイント。
しかも盾で受けなければ意味がない。ファミコンのグラディウスのシールドを見て、ヌルい、
と思ったMSXユーザーは自分だけではあるまい。
シューティングだが、騎士が徒歩で進んで行く(「騎」士じゃないじゃん!)世界観なので、他の
シューティングに比べスクロールがやけに遅いのも特徴だ。尤も、地形による移動制約が大きい
のであまりスクロールが速いとゲームが破綻してしまうのだが。
同時期にFCで売れていたシューティングであるツインビーと良く比較されたため、相対的に
やけにシブいイメージがあるが、シブ目の色遣いのお陰で単色キャラの見栄えの悪さをカバー
できている。ボスキャラも大きくて強敵揃い。(逆に小さいボスがいるのも面白くて良い)
音楽は、曲数こそ少ないが名曲揃いで大変燃える。
と、ここまでどれを取っても極上な作りなのであるが、難易度も極上なのである。
自分の腕では3面が関の山だ。グラディウスは自力クリアできるのだが・・・・
裏技(無敵アイテム無限使用)でラストまで見たが、見るに付け自力では到底無理だ、と逆に
萎えてしまった。
ま、個人的な思い出はともかく、当時FCソフトと正面切って争えるクオリティを持った、類い希
なるソフトであった事は事実である。(トータルバランスでは次に出たツインビーより上だと思う)
そして、このソフトの大成功をもって安易に続編を出さず、しかも出た続編は全く別タイプの作品
だったという事実を、今のゲーム業界は見習うべきでは無いだろうか。
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