気絶するほど単純なゲームであることは、すでにコメントされている
みなさんの話で納得されるのではないでしょうか。実際、どれくらい
のメモリ容量で動いているのか定かではありませんが、今で言うなら
ミニゲームそのものであり、4つか5つほどROMに入ってなんぼの
ものかもしれません。1画面プログラムが採用されて、記念に贈られ
てくるロムカートリッジって、ありませんでした?
そう、まさに「スクランブルエッグ」は記念碑的ならぬ、記念品的
作品としての側面があることは否定できません。テープで十分なのに、
プログラム2ページぐらいなら俺、打つよって感じなのに、しっかり
ロムカートリッジに収まっております。ひとたまりもない感じがしま
すが、私が今から援護にまわります。
まず、このゲームの背景世界の脈略のなさは重要なポイントです。
タマゴが惑星地表上をすっ飛んでくるのをビームで迎え撃つ。当ると
ヒナがかえってパタパタ飛んでいく。ばかでかいヒナなのでぶつかると
こっちがやられる。隕石は破壊不能。弾は単発。地形はギザギザで、
適度に安全高度を意識して飛ぶ。挙動のなめらかさに関しては合格点
といえるラインが確保されており、このゲームが持っている難易度の
勘所はとりあえず理解できます。回転しながら来るタマゴのままでは
挙動が不安定なので、できるかぎり早く、正確にビームを当てたい。
隕石との位置関係も頭に入れて、深追いはせずに避ける事も大切。
うねるような地表上空を高速で進みながら、単発のショットと自機の
高度調節を繰り返す‥。
そんな中で、私が思い浮かべるのは、「真夜中の高速道路」です。
キン。コーン。キン。コーン。発射音とヒット音が、はからずも速度
警告のチャイムを見事なまでに完成させ、
ヒュィーイュァーーァゥイーィゥユユュュュ‥‥。上下動操作に反応
してウインウィンと変調を繰り返す謎のサウンド(→厳密には高度に
的確に対応している)は、まるでドライバーの意識下のパラメータの
ようです。そして目の前の情景は、タマゴ、隕石、ヒヨコちゃん‥
うーん、「サイケ」。百鬼もたじろぐパワー(意味不明)。
こうした楽しみ方ができるのも、手早く、気軽に遊べるロムカセット
だからこそ。ああ季節はめぐる。
がんばれロケットボーイ、その高速道路には、インター・チェンジも、
パーキング・エリアもないけれど‥‥
おすすめ度(2005ver.): ★★★
かぼそくながい付き合い: ★★
携帯ラジオのダイヤル・チューニング感: ★★★★
遠い星から来たユーモア・ゲーム度: ★★★
バード・シュウティングゲームよりも
コンパクトなの?: ★★→(参照「居眠り流阿佐田哲也のA級麻雀」)
アンタ、燃費いいねえ: ★★★→(参照「スーパーコブラ」)
のみすぎはだめですよ: ★★ →(参照「頑張れトラックボーイペイロード」)
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