本作『ドラゴンウォーズ』はMSX2版の発売には至りませんでしたが、他機種ではリリースされていたのでショップ等で実物を見た方もいらっしゃると思います。
私は当時、MSX-BASICでのプログラミングに完全に行き詰っていて、16ビットPCの「BASICが早いですよ」という魔のささやきに悩まされていました。
夜遅くまでライン作業のアルバイトをして5インチディスクドライブ搭載のパソコンを購入、とりあえずゲーム三昧でプログラミングはどこかに飛んでいく、お決まりの浮気生活を過ごしていた時期、
購入したのがスタークラフトの新作『ドラゴンウォーズ』だったのです。完全に余談ですが『あすか120%』は内蔵音源版のオリジナルアレンジが一番好きなのですが最初のサントラCDは今も持っています。
(「佐藤豪バンド 無観客ライブ」で検索すると、キーボードでライブ参加しているヨナオさんが見れると思います。素敵です。対バンのファントムアイリスも最高です)
さて思い返せば、ヒット作である『マイトアンドマジック』、MSX2移植版の完成度はじつに堂々としたものでしたが、ことに3D視界まわりの処理・・あの高速かつ表現力に富んだ描画は凄かったと思います。
あれだけできれば、ドラゴンウォーズもやれば普通に出来たんじゃないか、と考えるかたがいても不思議ではありません。
しかし『ドラゴンウォーズ』は、確かに一見「先祖がえり」したようにこじんまりとしたソフトのようでいて、実際はけっこう重厚な内容でしたので、かりに移植が進行していても苦戦していたと私は思います。
マイトアンドマジックのように、マップのいたるところに長大な時間が折りたたまれているような作りのゲームとは違います。
意外と、と言えば失礼かもですが、展開がきちんと整理されていて、なおかつ自由度がかなり高いので、とにかくプレイがしやすかった。そしてシナリオ・ストーリー演出が随所で目立たないように仕事をしていて、語り口が非常にシブいのが特徴。
あの頃の、普段ぼんやりと「海外のファンタジーゲーム」に求めていたものが、ひたすらに地味ではあるが確かにあったという感じ。
あとは細かい点を。
・3D視界は広い。奥行と幅があるのでM&Mそのままとはいかない
・魔法の系統がドルイドマジック、サンマジックなど複数ある
・キャラクターにクラスはなく、スキルを習得し、各自の役割を広げていく
スキルの持たせ方で個性が出せるためロールプレイ没入度は高い
・所持品、装備可能品、装備種別が幅広い。持てるアイテムもかなり多い
・戦闘画面はM&M初代の二列縦隊版
・マウスオペレーションを前面に出していたスタークラフトの当時の無機質なレイアウトをやめていい意味で古臭いものになった
・そのうえでマウスとキーボードに両対応
いまは全くプレイしていないのですが、ゴールドカラーの終了認定証を眺めながら、MSXで出ていたならどういう移植がされていたかを、
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