(文末に操作方法、敵紹介などがあります)
画面写真にあるように、網目状に張られたビームフィールドの
平面上で敵をねらい撃ち、振りきりながらセクターを突破して行く、
かなり完成度の高いゲームです。ロジカルな部分とランダムな部分
がミックスされており、不特定多数の敵スプライトが怒涛のように
混合攻撃をしてもプレイアビリティーの落ちないプログラムの良さ
もあって、今でも十分遊べるシューティングゲームといえます。
どことなく映画「トロン」を思い起こさせるような仮想的な空間
での戦闘。自機は画面下端を横方向のみに移動。左右コントロール
だけで、敵の多彩で縦横無尽な攻撃に対処してゆきます。
縦方向に走る5本のビームが、攻守の軸となっていて、移動自体
はドット単位でラインを行き来するものの、発砲はビーム上でのみ
可能。つまりショットは5本のラインを上下になぞって進むことに
なるわけです。いくら移動範囲が制限されているとはいえ、ライン
とラインの間にちょうど位置しているようにタイミングをはかって
移動さえすれば、弾には当たりません。簡単でしょ。
ところがこのゲーム、かなりハイパーな混合攻撃を仕掛けるべく、
セクター(面)を追うごとに次々と新手を繰り出してきます。
このゲームの面白さは、自機を生かすためのライン確保が限定的
で条件が把握しやすいのに対し、その一瞬先をおびやかしかねない
要素は画面のいたるところに存在しうるという、局地性と大局性の
共存がもたらすスリリングな「最前線の感覚」だと思います。
たとえば、青い突撃機。高速でまっすぐにラインを下ってきて、
ショットを一発当てれば即座に跳ね返って上へ去ってゆきますが、
こいつを撃ち残すと、画面下端で停止し、数秒のあいだその場所に
とどまります。そうなると手の打ちようがなく、自機の移動範囲は
制限されることになります。その数秒が時に致命的。
たとえば、赤いジグ爆弾。特徴的な効果音とともに登場し、画面
上を横切り、やがてラインに沿って降下を開始、画面下端まで来た
ところで自機に向かってフラフラよってきます。左右1ラインまでの
追随能力しか(?)ないので距離を置くか、そうなる前にショットを
当てて緑に変色させ、高速で落ちてくるのをかわすかします。
ショットが通用しない敵も多く、単体では障害物でしかないような
存在が、脅威的状況を演出してゆくわけです。次善の策として、ボス
戦用に残してあるミサイルを当てて道をこじ開ける必要も出てくるで
しょう。とにかく攻防のスピード感は相当なもので、瞬時の判断を
絶え間なく要求されるシビアさに、序盤に獲得した大量のスペア機も
そう長く持たないわけですが、この圧倒される感覚がなかなか秀逸で、
ここまでくればメンタルの勝負だ、などと言いつつ、マグネティック
爆弾に終始ペースを乱されるのが、つらいところ。最高です。
99セクターまであることになっているが、これは、どうやったら
たどり着けるのでしょう。作者であるデイブ・ラルフさんは、説明書
の中でメッセージを残しています。
「26セクターから、さらに前進中!!‥‥」‥‥。彼はひまなとき、
自転車に乗ったり、ロックを聴いたりしていたそうですが、まさに、
べーしっ君とつるんでいそうな好青年じゃあありませんか。
もう6年ほどプレイしていますが、30セクターですら一度も到達
したことがありません。
このゲームで個人的にいちばん気に入っている部分は、自機が破壊
されたあとの演出です。画面が下から上にワイプ処理され、敵機や、
ビームフィールドがかき消えて、画面いっぱいに星の光が広がります。
「ゴーグルを外すと、そこは宇宙空間だった」というような感じで、
おなじ宇宙でも特殊な次元での戦闘だったのかと思わせる、実に粋な
計らい。いましがたの戦いが激しかった分、この静けさが際立ちます。
おすすめ度:★★★★
音の情報性:★★★
グッドデザイン度:★★★★★
シューティング研究所度:★★★★
ドラマティックな展開度:★
Beamrider【プレイ方法】
●4人まで交互にプレイ可能。タイトル画面で「1」〜「4」を押して
人数を決めます(テンキーは不可)
プレイ中だれかが抜ける場合は、そのプレイヤーの場面で「5」を
約1秒間押すことでドロップアウトが可能
●そのあとスタートするセクターを選択してプレイ開始
「1」セクター1 「2」セクター5 「3」セクター10
●自機の発進 カーソル上 (けたたましい発進)
●自機の操作 スペース ‥ レーザーラリアット(ショット)単発です
カーソル左右 ‥ 自機の移動
カーソル上 ‥ ミサイル(各面3発限り)
次の面まで決して補充されないので注意
●プレイの中断と中止 「0」‥ポーズ/再開(テンキー不可)
「STOP」‥タイトル画面に戻る
【敵キャラクター】
白い円盤‥‥各面15機ずつ登場し、プレイヤーはこれを全て破壊する事
でセクターをクリアできる。ゲーム中もっともトリッキー
なキャラクタで、弾をばらまいて離脱してゆく。激突にも注意。
赤い宇宙岩石‥‥セクター2から登場。(ショット不可)
ゆっくり降下してくる。
黄色いチーパー船‥‥セクター4から登場
画面を左右に横断。もっとも脅威からほど遠い存在。
緑のブロック船‥‥セクター6から登場。(ショット不可)
母船の護衛としてはセクター1から登場している。
画面上段を横切り、自機と同じ軸に来た時にまっすぐ
降下してくる。
緑のバウンド物体‥‥セクター8から登場。(ショット不可)
画面端から、1ラインずつバウンドするような軌道で
ビームをなぞっていく。動きは一定なので、対策は
たてやすい。
青い突撃機‥‥セクター10から登場
急降下してライン下端に数秒間いすわる。早めに接近を
察知して、ショットをあてて追い払いたい。
「サービス」と私は命名した。レシーブするわけです。
オレンジタンカー‥‥セクター12から登場。(ショット不可)
緑のブロック船とほぼ同一の性能。速度がすこし
違うのだろうか。狙いをつけて降下してくる。
赤いジグ爆弾‥‥セクター14から登場
これについてはすでに書いたので上を参照してください。
このあたりから、油断できない状況へ。
マグネティック爆弾‥‥セクター16から登場。(ショット不可)
動きそのものはブロック船やオレンジタンカーと
そう変わらないものの、自機との距離が一定の
範囲内にくると、磁力でもって引き付けにかかり
ます。こちらがボヤッとしているとハンドルを
もってゆかれるがごとく吸い寄せられて爆発。
1ライン程度の距離にいる場合は、カーソル操作
を常にしている必要があります。すこしトリッキー
な動きも見せる、最大の強敵です。
敵の母船‥‥各セクターの最後に登場。レーザーラリアットの射程圏外
のため、破壊にはミサイルが必要。
これを破壊できないとクリアーボーナスはもらえない。
緑のブロック船にガードされており、ミサイル発射には
工夫が必要となる。
スペアの宇宙船‥‥黄色い物体がゆっくり降りてきたら、回収することで
残機がひとつ増えます。間違って撃つと、破壊されて
しまい、残骸が障害物として残ります。
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