発売時、気になっていたものの近場にTAKERUがなくて購入する機会がなかった記憶があるソフトです。
最近になってPC-8801版でプレイしてエンディングに到達できたのでレビューを書いておこうかと思います。
とある惑星系を舞台に、惑星間交易によって金策をしつつ、宇宙海賊などの敵と戦いながら星系内を探索していく、スペースオペラ仕立ての、RPGともシミュレーションともつかない独特のゲームです。
「大航海時代」に2年も先駆けて交易・戦闘・探索の要素を組み合わせたゲームというのは、当時としてはけっこう斬新だったのではないでしょうか。
ちゃんと惑星ごとに相場のパラメータがあって、交易品の価格が随時変動したりする辺りにもこだわりを感じます。
また、行方不明の兄の捜索という個人的な目的から始まった旅が、やがて人類の存亡を賭けた戦いへと発展していくストーリーも、王道的ではありますが意外と楽しめました。
しかしながら、良かったところはここまでで、プレイしているととにかくテンポとバランスの悪さが目立つ残念なゲームでした。
本作のテンポの悪さはかなりのもので、もっさりしたフィールド移動はまあなんとか我慢できなくもないのですが、頻発する戦闘のゲームスピードがあまりにも遅く、とんでもなく時間を食います。
しかも本作にはレベルや経験値の概念が存在しないため、プレイヤー側に装備(船や武器)の更新しか成長要素がないうえ、戦闘を
しても金は手に入らない(稀にアイテムはドロップします)ので、ボス戦以外の戦闘は基本的にただのロス要素というおまけつきです。
こういう長いゲームは成長要素がないと、プレイのモチベーションを保つのが難しくなるんですよね。
そんな戦闘がかなりのエンカウント率で襲いかかってきて、やたらと時間を食うので、本当にうんざりしました。
また、店での交易品やアイテムの売買もまとめて行うことができず、一個ずつ売り買いしなければならないのもなかなかにイラつかせてくれます。
すでにレビューされている方も触れられていますが、序盤の資金作りのための交易の時点でぜんぜんゲームが進まずに挫折したプレイヤーは多かったのではないでしょうか。
なお、プレイヤーはそんな戦闘&交易をしながら、かの「覇邪の封印」と同じ5×5マスという狭い視界のフィールド画面で地道に宇宙を探索しなければなりません。
マップの広さはメインの星系内の宇宙空間マップが92×92マス、さらに8つの惑星上マップが個別に28×28マスあり、これをほとんどくまなく調べ回る羽目になります。(全体マップ表示機能とかはありません)
この時代のゲームではありがちではあるのですが、ストーリーの誘導が弱く、ものすごく大ざっぱなヒントを頼りに、なんの目印もない1点のイベント発生マスを探し出す必要がある場面が何度もあって、そのたびに心を折られかけました。
半ば意地でクリアしてやろうという気になった結果、久々に手作業でマッピングをしました。常に現在座標が表示されているのは本作唯一の有情要素かもしれません。
総評としては、目のつけどころはよかったがゲームデザインと技術が追いついていない、いろいろ惜しいゲーム、といった感じでしょうか。
でもこの時代のゲームって、そんなのばっかりだった気も。
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