MSX2の末期にDISKで発売された、本格ホラーRPGの傑作。ゲームシステムは日本のRPG会の首領とも言うべき安田均氏がデザインしており、半端のない独創的な拘りと完成度を誇る。日本製のコンピューターRPGとして、初めてウイザードリィの牙城に迫ったゲームと言っても過言ではない。ただ、その拘りがゆえに絶望的な難易度と、ホラーというなじみの薄い世界設定からメジャータイトルにはなれなかった悲運のソフト。発売元は老舗のハミングバードソフトだが、同時期に発売されたロードス島戦記の方が有名であるが、ゲームとしての質は比べ物にならない。
ゲームの内容についてはK-2さんが詳しく解説してくれているが、発狂という概念や、お金がモンスターを撮影しないと入手できない、魔法という概念がないのでライトがぶっ壊れたり、マヒしたときに酒がないと一発死、キャラメイキングで老衰死など、サド侯爵もはだしで逃げ出すほどの徹底ぶり。マップやシナリオも意地悪で、きちっと冒険のプランを練りながらゲームを進行させていかなければ、すぐに全滅してしまうだろう。が、逆にいえばそれだけゲームの世界に没頭できる世界観を持っている稀有な存在であるともいえる。ハードコアゲーマーを自認するプレイヤーには是非とも挑戦して欲しいタイトルだ。
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