とある方のツイッターからの情報で、33年越しで攻略に成功。
「オランダの雑誌に途中までのやり方が載ってた」という、海外の方の情報をもとに攻略していたのが10年ほど前。そのとおりに進めていると、クライマックス直前でハマるという悲惨な状態で凍結していただけに、喜びもひとしおでした。
感想としては、とにかく雰囲気が抜群にいいゲーム。80年代の黄昏た欧州の雰囲気をひたすら堪能できます。
舞台は
パリ スラム ムーランルージュ リッツホテル 自宅の安アパート
カンヌ ビーチ バー 別荘
バルセロナ グエルパーク 港 元恋人のアパート
ローマ アパート 印刷所 映画スタジオ
ロンドン セックス・ショップ 映画スタジオ
アムステルダム 運河 土産物屋 ボスの事務所
ハンブルク 政治集会 空港 PPCQ政党オフィス
と、どれも雰囲気たっぷり。安っぽいオルゴールのようなBGMもマッチしてます。
それぞれの国に移動すると、その国特有の切手付の絵はがきが表示されるのがセンスあり。
推理アドベンチャーとしてみると、コマンド入力方式のゲームとシステムは大差ない感じ。勿論手順を誤るとすぐハマるのも同様で、このゲームが高難易度なのもそのせいでしょう。
とにかく会話情報テキストが少なすぎるので、推理する場面もほとんどないのがつらい。
その割にプロットは複雑で、カジノ強盗の冤罪を追っていた筈なのに、いつの間にかドイツの政党がらみのスキャンダル(恐らくネオナチがモデル)や、某国の軍事クーデター(冷戦時なので東側のどこかだろうか)にまで発展していくので、ストーリーを追うのもやっとと言う感じになります。
これは想像ですが、恐らく小説や映画などの原作があるのでしょう。ちょっと8ビットマシンのアドベンチャーとしては、内容と世界観の規模があってない感じ。
しかしMSXのオリジナルタイトルとしては、一度はプレイする価値ありの隠れた名作ですね。
ちなみに海外のサイトでも特集されていて、ヨーロッパのMSX2の発売と同時に販売されたらしく「それなりに知名度があるけれど、クリアした奴はほとんどいない」という悲惨な批評でした。特集の最後に「ラ・フェールをクリアするより、ラ・フェールの安売りを見つける方がよほど簡単」とか書かれています。
最後に以下ネタバレになりますが、仕方がないとは言えエンディングは余にも主人公が不憫。何といっても冤罪で別れていた恋人の態度が酷すぎます。
売春婦になっていたり、有名俳優と電撃結婚したり、すぐ離婚したりと、情報を集めていくうちに6年もの間の闇歴史が次々と明らかに。ようやくバルセロナで再会したと思ったら
「わ、びっくりしたおげんきですか」
じゃねえよ!お前のせいで元気ねえよ。サイコパスか!
また最終ボスの決戦の直前に恋人から情報を取る場面があるのですが
「ずいぶんあってなかったね げんき?」
とか、マジでこちらの心境を逆なでしてきます。
嘘でも「もうわすれましょう、いっしょにいたいわ」とか「かならずもどってきてね、まってるから」とか言えねえのかよ!
グラフックによると、主人公はハンサムなので(日本語版のイラストは、しょぼくれた「孤独のグルメ」のゴローちゃんみたいだが)さっさとこんな女は捨てて夢幻戦士ヴァリスIIの優子あたりと結婚した方がいいぞ!
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