★注意!このレビューは酔っ払いの妄想です。本気にしないでください★
前述のレビューで述べた通り、「リアルタイムストラテジーRTS」の始祖はヘルツォークであるという話はご理解して頂けたと思う。
問題はここからだ。テクノソフトは自社タイトルを他機種のパソコンに移植したことでも知られるが、同作も幾つかのパソコン向けに移植版がリリースされた。
PC-8801MkII SR
MSX2
PC-9801
X1
MSX信者の私にとっての最大の関心は「どの機種のヘルツォークがオリジナルか?」という点にあった。何故ならオリジナル版が「真のリアルタイムストラテジーRTSの始祖」となるからである。
この謎は意外な点から解き明かされることになった。
コンピューターゲームには裏技がつきものだが、究極の裏技?とも言えるのが隠しメッセージの世界である。
隠しメッセージは開発スタッフのお遊びとして、愚痴やファンに向けての簡単な内容のものが殆どである。
ところがヘルツォークには膨大な文量の隠しメッセージが挿入されていたのだ。
実はテクノソフトから発売されたMSXソフトの新九玉伝ディーダッシュフィードバックヘルツォークの四本にはすべて隠しメッセージが挿入されており、当時のパソゲーの暗黒部分を生々しく告発していた。
その中でもヘルツォークの隠しメッセージは、念入りに隠蔽されて記録されている。その全文を公開することは大変危険なのでここではその一部を抜粋したい。
「もし会社に知れたら俺は間違いなくクビだ。」
「ならこんなメッセージ入れなきゃいーじゃん!と思うだろーが入れないと俺の気がすまないッ!ンだ。」
「全くこの会社の連中ときたらゲームにかける情熱ってもんがまーッたくねェもんなッ!」
出だしからこの調子である
「今回は自分のオリジナルゲームを大好きなMSX2で好きなよーに作ったからちょっと気分がよろしい。」
私の胸は高鳴った。やはりヘルツォークのオリジナルはMSX版だったのである。実はこの隠しメッセージにはご丁寧にヘルツォークの企画書まで挿入されている。それによるとPCエンジン版の計画もあったらしい。
さらに彼の発言はどんどん過激さを増していく。
「年末年始にディスク内蔵のMSX2が22万台ほど売れたそーだな。実にいいことだ。」
「まーあれだけCM攻撃をくらったら餓鬼どもも思わずPCエンジンより凄いマシンか?と思っちまうだろーな。」
「全くどいつもこいつも88!88!なぜ88を認めてこのMSX2を認めやがらねえんだ!」
「X68000もいいがいかんせん高い!88みてーなカスマシンを16万で売るんだからなー。」
しかしこの作者のMSX愛は本物である。私は瞬時にファンとなった。
「MSX2+が発表されたな、まったく何考えてんだ西*彦!なぁーにが88シリーズにも十分対抗できるだッ!」
「性能だけならMSX2でも十二分に対抗できるよッ!」
「MSXの思想に共感したから俺はMSXソフトの開発をやってるってのにこれじゃーなぁ。」
あ、あれれ?雲行きが怪しいぞ
「MSX2はVDPがなけりゃMZ-80以下のマシンってこった。」
「誰か俺のFS5500F1を¥10万で買ってくれねーかなー?」
えええ・・そりゃないでしょう(泣)
「今回で最終回なのはこれが俺のテクノソフトで作る最後のゲームだからだッ!なぜ辞めるかとゆーと社長が馬鹿だか以下略」
彼はその後コンパイルに移籍した後、数々の名作ゲームの制作に関わることになり、伝説となった。
数年前、とあるゲームイベントで「彼」がプロモーション活動でダライアスの新作を華麗にプレイしているのを見た。
MSXを愛してやまなかった男が、30年立ってなお未だにゲーム創作の情熱を持ち続けていることに私は奇妙な感動を禁じえなかった。
はたして「彼」とはいったい何者なのか?それは君の手で確かみてみろ!
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