Tagoo 戦闘メカザブングル ブルーゲールPART1

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親記事 戦闘メカザブングル ブルーゲールPART1
タイトル
民間人13人だけを載せて不安な宙域をひたすら進んだヘルメス級外宇宙練習艦2番艦などに関する長話
日付Sun Dec 2 23:50:05 2018  
書いた人コメント一覧ZL <planetary_titan_sushiya@hotmail.com>


まず、謝ります。「ザブングル」ファンの方、ごめんなさい。

日本サンライズのTVアニメーション作品、『銀河漂流バイファム』が放映されたのは1984年。
右肩上がりに『ガンダム』人気がふくれ上がり、『伝説巨神イデオン』や(そう、イデオンを忘れてはいけ
ませんでした・・・)『戦闘メカ ザブングル』をはじめ多くの長編群像ロボットアニメーションが制作される
気運が高まった勢いそのままに迎えた、80年代の中盤です。ただ当時の私などは今以上にボンヤリと
した小中学生でありましたゆえに、どれが本放送で、どれが再放送なのかといったような事柄には、まっ
たく明るくなく、「えっ昨日やってたん?うっそおおお」みたいな状態でストーリーについて行けないまま、
ときにかじり付く様に見ていたものです。ビデオ録画の環境もなく、途切れ途切れにエピソードを観ては
カセットテープでサントラと放送回を繰り返し聴くという活気あふれる生活において役立ったのが、プラモ
デルのように「かたちとして手元に置いておけるもの」だったと言えるのかも知れません。
だからまずどんな作品にしても、メカの外観・フィーリングというものがとても重要だったわけです。
ここで私が言うまでもないことですけど、『バイファム』は良い作品なのでありますが、その魅力はしかし、
メカ一辺倒なのでは決してなくて、登場人物たちのほうにこそ決定的な引力があった。だからこそ、キャ
ラクターのプリントされた文房具が欲しくなったり、アニメ雑誌などに手が伸びたりもしていたわけです。
そして当時の私には手が出なかったであろう、ゲームソフトウェアといった存在も、強く求められていた
一つであると思うわけです(ながいよ)。

近年になって様々なアニメーションを見直すことが多くなり、遅ればせながら「ちゃんと観た」といえるよう
な作品もいくつか増えたのですが、全編を通して見ることで、より「ストーリー性」に目が向けられるように
もなりました。TVアニメーションの制作スタイルだと、どうしても、長いスパンでの演出効果をというより、
話の整合性、着地点みたいな部分に終始してしまいがちだとはいえ、一話一話を丁寧に積み上げてい
くことで育まれる重力もあったりしますし、言葉になっていない言葉たちが感じられるというか、観ていて
自然とキャラクターたちのセリフが聞こえてくるような空気づくり自体が、やはりこういったアニメーション
作品の魅力でもあり、そして、「なんだろうな、なんかこの場面、地味にものすごくいいなあ」な感じだっ
たりとか、「そう、ここで言うならそれだよな」と心の中で叫びたくなるような場面展開があると、もうそれ
だけで幸せになれる。それこそが、スタッフの最大の勝利なんだと思います。

『銀河漂流バイファム』の脚本と構成に大きく携わっていたスタッフに、星山博之さん(故人)がいます。
正直私がとやかく言う必要もないくらいの方ですが、私自身は名前は見たことがあってもそれほど意識
をしてこなかったというくらいの認識だったのです。それが、ある頃、にわかに気になりだして、自分が
見ているアニメーション作品の多くに関わっている人、というより、自分の好きな部分にかなりの確率で
この方が関係していると気が付いて、はじめて偉大さを理解したのでした。ファーストガンダムの「ガン
ダム大地に立つ」「脱出」をはじめとする幾つかのエピソードはもちろん、個人的に前半部がとくに好き
な『ターンAガンダム』の、とくに前半部の脚本・シリーズ構成を担当されてるのを知って妙に感激した
こともありました。はたまた『無限軌道SSX』での、立ち寄った惑星でネコをひろう話など・・・
著名なアニメーターの方々が時おり言及されるように、「脚本」の決定稿としての役割を担っているの
が「絵コンテ」であるとして、それでもなお「筋書き主任」である脚本の存在を強く意識させられたのが
『バイファム』の星山さんだったのです。
もう一作、挙げるならそれは『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』で、やはりシリーズの立ち上げ段階
から、メインスタッフとして関わってこられたこのアニメーションも、私はかなり後になって見る事になり
ましたが、やはりこれも、いい作品でしたね。

人間と機械の関係、人と機械とが関わりあう様子を描くこと自体に、なにかワクワクするものを見出す
ことができるような世界。そんな感慨を抱かせてくれるのが、『サイバーフォーミュラ』であり、この『バ
イファム』でした。どちらもオープニングで、コンピューターのスクリーン表示がフィーチャーされている
のが、示唆的であり印象的です。
コンピュータゲームはどのように本作を切り取って料理していけば面白いものになるでしょうか。


以前にも触れましたが、とにもかくにもMSXには『銀河漂流バイファム』があります。
ただこれは、ゲームの出来がどうとか言うより、「バイファム感」が少し薄いものになっているのが残
念なのです。当時の私であれば、こういう方向のゲームで嬉しかった可能性もあるでしょう。
今ならば、キャラクター性を加えてみたいし、(かつては別に好きでもなかった)ディルファムやネオ
ファムにもぜひ出てきてもらいたいし(それだけで不思議と面白さが爆発しそうじゃありませんか)
で、欲望は果てしないですが、メインメモリ16キロバイトのMSXは揺るぎませんよ。
ここはひとつ広大なTagoo空間から、隠れたバイファムゲーを発掘してみましょう。

(後編へ)
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